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2019 ラグビーワールドカップから学ぶこと

今年も残すところわずかとなりました。

 

ラグビーワールドカップのお陰でNZは以前に比べ、より注目される国になりました。

NZチームが試合終了後に行ったお辞儀など、日本文化を積極的に受け入れる様子や、日本チームのキャプテンがNZ出身という事もあって、多くの人たちがNZに好印象をもったようです。

 

NZは多民族国家です。オークランド市内にある学校の生徒の出身国は数十以上にも及ぶといいます。

ラグビー日本代表もいろいろな国の出身者でチームを結成していました。彼らが互いを尊重しあって一つになり素晴らしいチームを創り上げたこと、メディアは彼らが日本人よりも日本文化になじみ、理解し、尊重しているという事ばかり強調していましたが、”One Team”になるまでに、チームの中でどれほどの誤解や軋轢、葛藤があったことかは想像に難いものがあります。

 

子供たちの相互交流を考えた時、英語学習以外にNZから学ぶことがたくさんあるという事に気づかず、相手に日本文化を学び理解してもらう事ばかりに重点を置く教育者が多い事はとても残念に思います。

 

いかにして、民族毎に共有する価値観の違いを互いに理解し、妥協し、許しあってゆけるのか。民族の違いだけでなく、世代間の違い、社会の中での暮らし向きの違い、家族環境の違いなど、課題は山ほどあります。

 

学校における価値観の共有化は至難の業ではないと、とあるNZの校長先生はいいます。多様性が進む現実社会で、既に問題に直面し対応しているNZに、これから外国人を多く受け入れてゆくことになる日本の教育現場が学ぶことは思ったよりも多いのではないかと思うのです。

旅行ではなく、生活の基盤をおくべく日本に滞在しようとする外国人に、一方的に日本の価値観を理解し、順応してもらう事ばかりを強調する教育が、はたして日本の未来につながる教育なのかどうか。

 

違和感があり、誤解、軋轢、葛藤があったとしても、他文化になじみ、理解し、尊重しようとする努力がなくては"One Team”にはなれないという事を、ラグビーを通して学んだ年でした。

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